伝統構法で造った走るお茶室が完成しました。
オーナーの茶和家様より、日本中いろいろなところでお茶をふるまい、リラックスして頂ける場所を作りたいという依頼があり、今回製作させていただきました。
日本建築の外と内とのつながりや、水平と重力の縦横のライン、を無意識に感じて頂ければ幸いです。
そして、京都の畳、和紙など日本の伝統的な仕上げ、小さな木製のシェード、真鍮の金物など
手作りの物で仕上がった空間は使い捨てなものでは感じることが出来ない空間になったと思います。
大きな窓と外につながる様な格子(茶和家さん断っての依頼)は室内に居ながら外と中を一体に感じさせる大切な要素になりました。
構造には釘や金物を用いず、木組みで建てる伝統構法により製作しました。
木組に使う込み栓は、今回木工事を請けて頂いた杣耕社の山本さんが友人の宮内棟梁が考案した菱込み栓を採用してくれました。強さを保つための知恵ですが、見た目にも美しいアクセントになっています。
使用した材料は九州産杉の赤身で柾目、無節の清楚な佇まいです。
杉の赤身、柾目の無地という材料は、通常の流通材木から取り出せる赤白身、板目、節あり材と比べると100枚に1枚以下しか取れない希少材料です。
軽く、狂いが少なく、トレーラーに使う材料として、とても良い材料だと思います。
玄関を開けると右には下駄箱が、正面にはカウンターがあり左に入り口の板戸があります。
カウンター越しの窓は大きく、光と風が入り棚越しに見える風景を見ながらお茶の準備や、調理が行えます。
部屋の入り口の板戸を開けると4畳半の畳の部屋に入ります。
4畳半と言ってもとても小さな1畳ですので、通常の部屋では3畳ほどでしょう。
畳は目積という目の細かい編みの強く美しい畳です。
小さな照明が下がっています。木をくりぬいて作ったシェードに小さな電球がついています。
壁はすべて和紙が丁寧に貼ってあり、真鍮のネジで壁がとめられています。
入り口を入って右正面に板戸があり、開けるとトイレのスペースになります。
トイレのスペースにはアンティークの真鍮金物を使用した小窓があり品の良い部屋になりました。
そのトイレの左奥がシャワー室です。
茶和家さんのチョイスされた真鍮色のシャワー水洗で贅沢な時間を過ごせます。
畳の部屋に戻り窓を全開にすると、前から後ろに風が通り過ぎ、その場が屋外であり、
お気に入りの風景の中であることを実感します。
縁側越しに見る風景の中でお茶を頂き、風を感じ、楽しいお話の時間を過ごしていただければ幸いです。
これから日本中で大切な時間を過ごしていただけることを楽しみに期待しています。
是非お声がけをしていただければと思います。
お茶旅 茶和家さん SAWAYAお茶旅 – お茶旅 / 茶和家(さわや) 木村園 (ochatabi.com) インスタグラム Facebook